開催レポート:\オンライン開催/ 外国人にも日本人にも伝わりやすいやさしい日本語ワークショップ
(投稿日:2021.8.27)

   

 

こんにちは。チガラボスタッフの齋藤 佳太郎こと、けいちゃんです。

 

8/25(水)20:00-22:00に『\オンライン開催/ 外国人にも日本人にも伝わりやすいやさしい日本語ワークショップ』が開催されました。

 

今回は、チガラボのTAKURAMIメンバー「湘南やさしい日本語プロジェクト」いのめぐ先生こと井上恵さんの初開催イベントです。

 

チガラボではやってみたいこと・密かに温めてきたことを「TAKURAMI」と呼んでおり、それがイベントなどの形でスタートできた時には、このように開催レポートを書くことで応援をさせていただいております!

 

日本に住む外国人が日常で感じていることや、国際交流で活用できる「やさしい日本語」とはどんなものでしょうか?イベントの様子をレポートします。

 

<県内の在住外国人は?>

・神奈川県の外国人は約22万人

・多い順に中国・韓国・ベトナム・フィリピン・ブラジルの順なのだそうです(大企業の工場などがある地域に多い傾向)

・茅ヶ崎は2,000人くらい

 

<Q. 外国人と話した時に、困ったこと・嬉しかったこと・面白かったことことはありますか?>

参加者の皆さんの声

・どうしても日本語で対応しようとしてしまう

・困ってそうな時は英語で話しかけてみたことがある

・仕事柄しょっちゅうあるので興味が湧いてきたところ

・ポケトークを持っている人も多い

・忘れ物対応は難しい単語が出やすく難しい

・英語で話しかけたら日本語で返された笑

・緊急外来でこられた時に大変だった

・母国語も日本語もまだちゃんとわからない子どもとのコミュニケーションが必要な時に難しくも、おもしろかった

 

<やさしい日本語とは>

日本語は敬語や複雑な言い回し、長い文章が多く言語です。それを文法や語彙や構文をシンプルにして、わかりやすく話せる・書けるようにしたのが「やさしい日本語」です。

 

<外国人と話す時に気をつけたいこと>

・「カタカナ英語」は使わないほうが◎

→キムチ、バス、ドクター、ストアなど、ほとんどカタカナ英語はびっくりするくらい伝わらない!

・日本人が普段使う日本語は、そのままでは難しい

例:

普通の日本語 『直ちに高台に避難してください!』

やさしい日本語『すぐ高いところへあがってください!』

※日本語の避難指示は外国人には難しく、実際に過去の災害で逃げ遅れるケースが出た→この出来事が「やさしい日本語」ができた1つの背景なのだそうです。
※各分野に広がりはじめている「やさしい日本語」

防災・行政・医療・観光・娯楽など

例:

やさしい日本語での新型コロナ情報(岩手県釜石市)

https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2020031900078/

 

<やさしい日本語のキホン>

例:

before

『子どもを産む前は、旅行によく行ってたんですけど、今はちょっと…』

after

・『子供を産む前は、旅行によく行きました。』

・『でも、今は忙しいです。』

・『行けません。』

は「はっきり」=今はちょっと…→今は忙しいです。

さ「最後まで」=今はちょっと…(結論がない)→行けません。

み「みじかく」=言いたいことを切り分ける

 

<まとめ>

・やさしい日本語に答えはない

・相手にあわせる気持ちが大事

・やさしい日本語の使い手は社会をやさしくする人

 

<参加者さんの感想や質問>

・日本人はジェスチャーを恥すかしがるけどやるともっと伝わりそう

・みじかく伝えることで、自分の言葉が伝わっているかどうかリアクションでわかるだろうなと感じました!

・ポケトークを使うときの注意点は?

→日本語は主語を省略しやすいので主語を入れること・短くすること

・わかりやすく・おもしろく言おうとしてしまい、言葉選びに迷ったりもした

・地元の方言はどうしたらいいですか

→方言が「通じる人かどうか」を見極めて、通じるようならOK

・専門用語はそのままでは伝わらないのでどう噛み砕くかが考えどころだと感じました。

 

【スタッフコメント】

今回、いち参加者として学ぶことができたことで、普段、自分が当たり前に使っている日本語が、外国の方にはとてつもなく難しい言葉なんだということがわかったこと。そして、じゃあどう伝えたらいいのか?のポイントがつかめた事が大きな収穫でした!このポイントを覚えておけば、なんだか突然、外国人に話しかけられても大丈夫な気がしました^^

また、ひとつひとつ伝えたいことを「はっきり」「最後まで」「みじかく」、相手をよく観察して伝えるということは、外国人だけでなく、小さな子どもや高齢者の方・障がいのある方と接する時などにも応用できる「やさしいスキル」であると感じました!

 

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*月刊雑誌「BRUTUS」の最新号(2021/9月号)に「やさしい日本語」特集が掲載されています!

 

 

*「湘南やさしい日本語プロジェクト」Instagram

https://instagram.com/inomegu_yasashii_nihongo?utm_medium=copy_link

 

*いのめぐ先生プロフィール:

上智大学外国語学部イスパニア語学科卒業

お茶の水女子大学大学院 比較社会文化学専攻 日本語教育コース 博士前期課程修了

日本語教師として、日本語学校留学生・大学交換留学生・国際高校外国籍生徒・ビジネスパーソン等を指導

日本語教師養成講座では、理論・実技・教育実習を担当。大学生から70代まで幅広い年代の受講生を指導。

入門やさしい日本語認定講師として、2021年より「湘南やさしい日本語プロジェクト」を開始

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