開催レポート:【チガラボSocial】大人のマイプロジェクト講座 第0回 ~自分の思いから地域を良くしていくためのステップ〜
(投稿日:2018.8.16)

みなさんこんにちは。社会人インターンの大森賢次です。8月10日(金)に株式会社エンパブリックの広石拓司さん主宰の「大人のマイプロジェクト講座 第0回」を開催しました。広石さんは地域での活動や事業に取り組む人や団体を、長年に渡り育成・支援しています。今回はプレ開講という位置づけで、広石さん共著の新刊『ソーシャルプロジェクト成功の12ステップ』からマイプロジェクトへのヒントを紐解きながら、マイプロジェクトを始めるにあたってのお話をしていただきました。

 

ソーシャルプロジェクトと言葉だけを捉えると少し身構えてしまいますが、、難しいテーマや大きな事ではなく、身の回りのちょっとした困りごとや、興味があることから始まる小さな取り組みこそが対象です。マイプロジェクトのテーマの見つけ方や実践的なアドバイスまで、幅広く内容の濃い時間を過ごしました。

広石さんはマイプロジェクトのテーマ設定について、「課題を探すのではなく、実際は日々の生活の中で課題に出会っているが、一人の力では解決できないから見過ごしている」と言います。現状に対して、誰もが「あれ?」と違和感を感じる時があり、その違和感が課題の原点になります。違和感を注意して見ると、あるべき姿(理想)とのギャップが存在し、そのギャップが課題になります。

 

マイプロジェクトも様々な形がありますが、広石さんは「新しい仕事を生み出して、変化を生み出す人が増えてほしい」と参加者の皆さんにメッセージを送ります。新しい仕事は社会の変化に伴う次のような流れで生まれます。社会が変化し→ニーズが変化し→仕事が変化し→提供価値が変化します。社会が変化すると必ずニーズも変化するため、そのニーズに対して新しいサービス・仕事が生まれます。新しいサービス・仕事の提供について、ニーズの変化を先読みしてサービスを提供することや、サービスは難しいことをするのではなく、”ありそうでなかった”と言われるようなアイデアを入れて実施することが大事だと言います。

 

続いて、マイプロジェクトの進め方や実践方法についてアドバイスをいただきました。

・誰しも興味がないことを継続するのは難しいため、そのテーマに対して自分がやる理由、苦労の先に得たいもの、見たいものがあるかが重要

・ともにチャレンジする仲間が絶対に必要。何事も一人では知識・リソースなどが限られるため、みんなを巻き込むと成功確率が上がる

・早く軌道修正できるため、早く小さく失敗した方が良い。しかし、行動して失敗するだけではなく、失敗から次のステージの元手(社会関係資本)を蓄積していくことが重要

広石さんのご説明を踏まえて、参加者全員でテーブルごとに講座の振り返りも兼ねてディスカッションをしました。多くの参加者がご自身の振り返りの中で触れていた、広石さんの印象的なアドバイスをご紹介します。

 

・問いかけの重要性

講座の中で問いと問いかけの違いの説明がありました。問いは自分で考えることであり、問いかけは声をかける、誰かに働きかけることを意味します。一人で問い続けても、考えられる内容はその人自身の知識・経験の枠からは出ることができません。

 

そのため、何か新しいことを始める時は、答えを見つけるのではなくて、問いを分かちあうことが重要です。問いを分かち合うことで仲間ができ、仲間と共に思考し、関係性が構築され、新しいことが生まれます。また、問いかけが自分の物事の見方を見直すきっかけになります。自分の物の見方は誰かと相対化しないと見えないものであり、人に話すことで自分の物の見方が見えてきます。

 

・余白がないと違和感に気づけない

仕事が忙しすぎると、日々の生活の中にあるささいな違和感に気づく余裕がありません。そのため、意識的に生活の中に少し余白を設けることが大事です。

 

・やりたいことを探すのではなく、自分の役割を探す方が見つけやすい

やりたいことを見つけるには、やりたいことを探すよりも自分が社会・地域・組織で中で果たしたい役割を考える方が見つけやすいものです。

 

今回は、フリーランスから社会保険労務士まで幅広いジャンルから9名の方々にご参加いただきました。今後も一人一人が現状に対する向き合い方を少し変えることで、マイプロジェクトに関わる新しい活動が増えていけばよいと思います。

 

本イベントはイベントインターンとして三回目の参加でした。広石さんの「何がしたいのか自分ひとりではわからない。いろんな人に出会って、話し合いのプロセスを通して分かっていく。やりたい事を一人で考えても大した事を思いつかないので、自分の考えを人に話すことが重要」という話は、とても腹落ちした感じがありました。一人で考え続けても机上の空論で無限ループから抜け出せなくなるため、ある程度思考を巡らせたあとは行動(人に考えを話す、実践する)に繋げるべきだと強く思いました。

 

広石さんがお話しされたプロジェクトの進め方は”リーンスタートアップ”に類似していると思いました。思考し、行動し、結果を踏まえてピボット(方向転換)する。行動の結果、社会関係資本が蓄積され、結果として成功する確率が上昇する。自分やりたいことに関しても、リーンスタートアップの手法を取り入れて、行動に繋げていきたいと思います。

 

※チガラボでは、学生・社会人インターン(年齢制限はありません)も随時募集しています。ご興味ある方はお気軽にお問合せください。

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