開催レポート:【チガラボCulture】地域の酒と肴を楽しみながら、神楽(かぐら)の世界をのぞいてみよう!
(投稿日:2018.6.25)
6月10日(土)【チガラボCulture】地域の酒と肴を楽しみながら、神楽(かぐら)の世界をのぞいてみよう!を開催しました。
今回お招きしたのは、三上敏視(みかみとしみ)さん。
音楽家でありながら、自らの足で全国各地の神楽をめぐり、その魅力を伝え続けています。
2017年秋には『新・神楽と出会う本 歌・楽器・お囃子』という書籍も出版されています。
神楽(かぐら)と聞いて、なんとなく耳にした事はあるけれどよく知らないという方も多いのではないでしょうか?
三上さんによると、神楽とは「おまじないのようなもの」なのだそうです。一般的には『神をまつるために奏する歌舞。各地の神社で祭礼の折などに行われる舞・囃子。 』(三省堂 大辞林)などと説明されています。今回はそんな神楽を、実際の映像を観ながら三上さんに解説していただきました。
神楽は全国に数多く存在しますが、大きく分けて4種類あるそうです。
神懸りや祈祷の巫女による舞を行う「巫女神楽(みこかぐら)」、扇や剣などの採物を持って面を着けずに舞う採物の舞に、能舞・能神楽・神能などとよばれる面を用いる舞が加わったとされる「採物神楽(とりものかぐら)」、釜で沸かせた湯を神仏に献上し、その清まった湯を浴びる「湯立神楽(ゆだてかぐら)」、獅子頭に神を招き、その呪力で悪魔祓いや火伏せなどの祈祷の獅子舞をする「獅子神楽(ししかぐら)」。
ただ、それぞれの要素が重複している部分も多く見られ、明確に分けることは難しいようです。
「神楽は信仰や祈祷だけではなく、音楽や美術としても見ることができる。」と三上さんは言います。
三上さんは元々、音楽家として日本のルーツミュージックとネイティブカルチャーを探す中で神楽に出会い、その多彩さと深さに衝撃を受け、神楽の世界にのめりこんでいったそうです。民俗学者ではないミュージシャンの三上さんだからこそ、神楽の世界をユニークな視点で語り伝えることができるのではと感じました。
交流会では島根、宮崎、岩手など神楽が盛んな地域のお酒やおつまみを肴に、参加者のみなさんとの神楽トークが盛り上がりました。
みなさんも是非、普段味わえない神楽の世界を覗いてみてはいかがでしょうか?