開催レポート:【チガラボTalk】三陸の海の幸を食べながら、油井元太郎さんと、子供たちに残したい持続可能なくらしを考える会
(投稿日:2017.12.15)

【茅ヶ崎×石巻市雄勝町『MORIUMIUS』】

126日(水)、「【チガラボTalk】三陸の海の幸を食べながら、油井元太郎さんと、子供たちに残したい持続可能なくらしを考える会」を開催しました。

ゲストにお越しいただいた油井元太郎さんは、東日本大震災以降こどもたちの学習支援・地域のイベント開催など様々な形で復興支援に携わられ、2013年からは宮城県石巻市雄勝町にあるこどもの複合体験施設「MORIUMIUS(モリウミアス)」のフィールドディレクターを務められています。

石巻市雄勝町は豊かな森と海に恵まれ、自然風景と伝統が色濃く残るまち。日本で一番「硯石」が取れる場所としても有名ですが、東日本大震災によってまちの8割が壊滅し、住民数も1000人まで減少してしまいました。そんな状況の中で油井さんは、地域のこどもたちが遊べたり、他町へ移転してしまった人々が帰ってこれる場所・時間をつくるための活動をはじめられます。その後、人口減少のため2002年に閉校していた桑浜小学校(1923年建築)と出会い、地域の方々といっしょにリノベーションしてできたのが「モリウミアス」です。

「モリウミアス」という名前には、「MORI=森、社、守。守ることの大切さ/UMI=海、生み・産み、熟み。生み出し熟成させる/US 明日、us=私たち」という意味が込められています。1泊2日・7泊8日の滞在プランの中でこどもたちは森・海・川・畑などの自然に囲まれながら、豚や魚や虫などの生命と触れ合い、様々なアクティビティや交流を通じて、たくましく生きていく力を身につけていきます。パーマカルチャー(持続可能な環境づくりのためのデザイン体系)の考え方も随所に取り入れられ、これまでに多くの小・中学生、企業・大学の方々が国内外から訪れています。

また、次の3つの指針のもと、教育だけでなく「人々の生き方」や「地域経済」にも目を向けられています。

①サステナブル
自然の循環を生かし、自然とともに生きる体験・価値観を大切にする。

②ローカル
地域の人との交流を通じて雄勝の歴史や営みを学び、雄勝を第二の故郷とする人(交流人口・関係人口)を増やす。また、地域の人に寄り添うことで、町の魅力を互いに大切にしていく。
(関係人口についての参考記事: https://news.mynavi.jp/kikaku/20170929-a002/

③ダイバーシティ
世界中から集まる人たちとの交流から多様性を学ぶ。

アクティビティの様子を撮影した動画には、こどもたちの笑顔や真剣な眼差しが溢れ、モリウミアスにはこどもたちの明日・地域の明日をつくるための新しい出会いがたくさんあることが伝わってきました。
https://www.youtube.com/watch?v=4RLiek85h8I

質問タイムでは、「こどもたちはサステナブルの考え方などをどのように理解しているのか?」という質問がありました。この質問に対して油井さんは、「理解したかどうか、成長したかどうかを大人の考え方で捉えてはいけない。数値化できないし、したくない。『生きる力が何かわかった』と大人びた発言をするようなこどももいたりして、それぞれの感じ方があって良いと思う。」とおっしゃられていました。

また、これからについては「モリウミアスじゃなきゃできないこと、ではなく、モリウミアスがロールモデルになることで他の人々・地域の意識が高まっていくことを目指したい」とおっしゃられており、土地に合った生き方の大切さを考えさせられました。茅ヶ崎も海・山・川のある自然豊かな地域です。それらの魅力を守り、活かし、共に生きていくためにどんなことができるのか、チガラボはこれからも考えていきたいと思います。

(参考「農と食のテーマパークEdiblePark茅ヶ崎」: https://www.facebook.com/EdibleParkChigasaki/ )

トーク終了後の交流会では、牡蠣をはじめする三陸の新鮮な魚介類を、湘南・辻堂の「Kai’sKitchen」オーナーシェフの甲斐昂成(かいこうせい)さんに調理していただき、みなさんで美味しくいただきました。

こどもから大人までたくさんの人といっしょに、人とのつながり・地域とのつながり・自然とのつながりに想いを馳せる素敵な夜となりました。ゲストの油井元太郎さん、料理人の甲斐昂成さん、ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。