開催レポート:【チガラボチャレンジ】やりたいこと宣言&いっしょに考える会 vol. 67
(投稿日:2022.8.26)
こんにちは!チガラボイベントインターンのすみれです。8月17日(水)【チガラボチャレンジ】「やりたいこと宣言&いっしょに考える会 vol. 67」をリアルとオンラインのハイブリッドで開催いたしました!
チガラボチャレンジは毎月1〜2名の方にやりたいことを発表いただき、アイデアや情報、どうしたら実現できるか、自分ならどんな協力ができそうか、といった前に進めるためのディスカッションを行っています。
今回はお二人で1組の発表でした。
【今回のチャレンジャー】
■四條邦夫さん&山田秀砂さん「茅ケ崎を知ろう」〜市民活動、防災と福祉〜
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■四條邦夫さん「全世代で創り上げる『シン市民ちがさき研究会』」
【発表のきっかけ】
・以前もチガラボチャレンジに参加したことがあり、チガラボで仲間を得て「NPO法人セカンドワー ク協会」を設立し
・茅ヶ崎市の社会課題(まずは防災)に貢献したいという想いから創った、「シン市民ちがさき研究会」についてのレビューを求めて、山田秀砂さんと共に参加した。
※「NPO法人セカンドワーク協会」とは
シニア世代が現役世代の支援を受け小規模事業者に良質なWebサイトを提供する。その結果、シニア世代、現役世代ともに、「セカンドワーク」を手に入れることができる。
【やりたいこと】
茅ヶ崎市の社会課題の解決に貢献するために、全世代で創り上げる「シン市民ちがさき研究会」 を実現させたい!
このようなシン市民が集まり、茅ヶ崎市における社会課題や他地域の実例について学び、実践し ていく研究会をつくりたい。 地域の各団体や自治体との協働、ソーシャルビジネス化にトライして「シン市民ちがさき研究会」 を持続可能な活動としたい。
※「シン市民」とは
・暮らしの中で気になることを、スルーせずに自分ごととして関わっていく市民
・対話を通じて、仲間を増やし、できることからアクションする市民
【なぜやりたいのか】
人生における多様なキャリアが積み重なっていく様子を虹に例えた「ライフキャリアレインボー」によると、「市民」というキャリアが人生で一番長いことから、「市民の役割とは何か?」と考えるように なった。
そして、これまでの自分の市民としての活動を振り返ってみると、昔は地域貢献に無関心なキュウ市民だった。 その中で、チガラボにてエンパブリック・サイクルについて知り、シン市民プランを発見!
人生で一番長いキャリアである「市民」を活用し、人々が地域に関心を持つ「シン市民」になれば、社会課題への解決に貢献できる、「市民」はそういった力を持っているのではないかと感じ、「シン市民ちがさき研究会」をつくるに至った。
※「エンパブリック・サイクル」とは
地域・組織の人が、自分の思いや考えから、周りの力を借りて、自分の仕事をつくっていくこと。その身近な例が周りの学びにもなり、地域・組織の中長期的な変革力にも繋がって行くこと。(広石拓司氏提唱)
【誰がどうなったらよいのか?】
茅ヶ崎市の市民全世代がシン市民になること。 シン市民になることで、市民としての考え方や行動が、地域貢献に対し無関心から積極的になり、取り組む姿勢が受け身から能動的に変化していく。
そのようなシン市民が増え、集まり、お互いが学ぶことで、地域に対する関心が深 まっていく。 地域の現状や課題についての学びから、社会活動を解決するための実践活動が現実のものと なり、活動が広がっていく。
市民全体が自分たちの地域のために積極的に活動を行うことで市政にも繋がり、結果として、 市民が過ごしやすい地域へと変わっていく。
【どのように実現するのか?】
研究会の目的は
・「シン市民ちがさき研究会」の活動における「シン市民」の定義を明確化する
・「エンパブリック・サイクル」について学び、具体的な実践活動に結びつける
すすめ方は
1.学び
・茅ヶ崎市における社会課題の把握・理解し、その中で優先度を議論する
・「エンパブリック・サイクル」のスタディ
・他地域の実例を学ぶ
・「シン市民」のロールモデルを学ぶ
2.実践
・上記の学びを社会課題解決のための実践活動に活かす
・ソーシャルビジネス化にトライし、持続可能な活動にしたい
・地域の各団体との協働
・自治体との協働
3.広報
・研究会拡大活動
・公式サイト・SNSの活用
・地域密着のアナログ広報も重要
【参加者の皆さんと一緒に考えたいこと】
・「シン市民ちがさき研究会」の進め方を具体的に決めたい、
一定の人たちで熱い真剣な話し合いの後に、色々な人々が参加する緩い話し合いをする進め方はどうか。
・「シン市民ちがさき研究会」の目的はこれでいいのか?
勉強会というより、お話会のほうが入りやすい。
・市民がどう主体的に行政に関われるか?実践をどのようにしたら良いか?
誰でも参加できるようハードルを下げる。 みんなが参加しやすいように、話を聞くだけの人や議論する人、オンライン参加、お茶を飲みながらなど選択肢を増やす。
・楽しめる要素を作る。(カルタ、茅ヶ崎あるある、クイズなど)
チガラボみたいな環境を作る。 海岸や里山でのイベントなど、定期的なイベントで参加者を増やす。 SGDsみたいに色で割り当てて、自分ができそうな内容の色のバッチやワッペンを身につける。縁側でおしゃべりや地域交流的な場所など色んな立場の人が話せるところがあれば良いのでは。
【参加者の皆さまからの質問・情報・アイデア】
・話し合ってみたが、年齢、立場、住んでいるところも違うと話がまとまらない
・自分にとって遠い話(関心が薄い)は勉強する、近い話(関心の強い)はアウトプットできるなど のバランスが市民研究会の難しい
・遠い話を近くにしたい、近い話を遠くに投げたいがどうしたら良いと考えているか?
→最低レベルの共通言語を考え得た上で、個々の問題をそれぞれ考える。ベースが共通じゃないと、どこかですれ違うため、みんなが同じところからスタートしたい。
・問題が洗い出しきれてないのでは 。。
【Next Action】
最後に四條さんのNext Actionを発表してきただきました!
「場を作る、ラフな形で学べる場が大事だというポイントがわかりました! 私だったら何ができるだろう、これだったら参加できるという仕組みがあれば、具体的な活動を考えて実行に移してみたいです。エンパブリックスタジオは各地域にあるため、それの有識者に投げてみようと思う ・またチガラボチャレンジに参加してみたい。」
※「エンパブリックスタジオ」とは
組織や地域に変化を起こしたいが、自分には何ができるのだろう?と考える人が、対話や学び合いを通じて仲間を広げ、共に試行錯誤しながら、自分にできることを一歩進め、変化を成し遂げる力を磨く場。
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■山田秀砂さん「『茅ヶ崎と災害』行政の力を超えた災害と『住民の力』」
【発表のきっかけ】
四條邦夫さんと共に、市民活動を通して茅ヶ崎市の社会課題である防災と福祉について皆さんと 考えていきたいと思い参加した。
【やりたいこと】
・四條邦夫さんが考える「シン市民ちがさき研究会」を通して、茅ヶ崎市の社会課題の一つである 防災・福祉について取り組みたい。
・茅ヶ崎市の防災の現状、リスクの高さ、行政の減災対策の事実を市民みんなが気づいて、知っ てもらいたい。
・この防災の事実に対し、行政を批判をするのではなく、市民活動の仲間達と共に周知活動と市民ができる災害対応を考え、提案したい。
【なぜやりたいのか】
茅ヶ崎市の防災についての事実
・茅ヶ崎市はほとんどが木造密集地域であり、同時多発火災が起こった場合、逃げ場がない
・緊急車両が通れる地区内通過率は5%以内で、ほとんどの緊急車両が通れない
・9241軒のクラスターのうち24軒しか消火できない現実 ・配水池の排水管は老朽化し、地震で破損
上記のように茅ヶ崎市南側の消防水利が絶望的であるという事実を茅ヶ崎市民は知らない人が多いことに危機感を覚えたため、 この防災の社会課題を従来の方法ではなく、コンコーダンス・モデルを用いることで解決できる のではないか。これは四條さんの考える「シン市民」の方向性と同じではないかということで、 「シン市民ちがさき研究会」と協力して防災の課題を解決したい思ったため。
※コンコーダンス・モデル
行政・専門職・市民の共同意思決定という関わり方 。情報と目標を共有し、する・しないも含めて、住民が決める 行政・専門職が動かそうとするのではなく、市民自らの判断で、合意の上の決定、更新していくことが重要。
【誰がどうなったらよいのか?】
茅ヶ崎市の住民が、防災についての事実を知り、「シン市民」となって、住民自らが防災の問題解決に貢献する社会になる。
【どのように実現するのか?】
四條さんの考える「シン市民ちがさき研究会」の進め方に準じて、社会課題の一つである防災に ついて学び、理解を深めて、実践へとつなげる。
【参加者の皆さんと一緒に考えたいこと】
・被災した際の食料をどうするのか?どういう畑があって、どこで食料を調達するのか?をリストアップ したらどうか
→備蓄は空き家を活用してみては?倉庫として利用し、マップ作ってどこにどれくらい備蓄があるか を示してみる 各自治会が所有している防災倉庫にソーラーセルを乗せて、夜間に照明が点灯するようにして みる!倉庫は電源がないから、、 災害食(乾パンなど)を賞味期限の都合で入れ替える時、古い災害食を使ったお料理レシピがあ る。災害食パーティーとして、自治会単位などで集まる機会を作るのも意義があると思う。
・最終的なゴールは市民が課題(今回は防災)に対し行動することで、市や県を動かすということ。そのためのツールをどうしたら良いのか?
→ 危機感を広げるアプローチをしたらどうか?大昔に鎌倉大仏の一部が津波で流されたというような歴史と混ぜて伝えてみるのは?
→災害についてのビデオやVR、メタバース、擬似体験として伝えることで若い人を動かすのは?子供の頃の授業が効いてくるかも
【参加者の皆さまからの質問・情報・アイデア】
・市民の課題として防災以外に感じているものは?
→福祉(障害者、要介護者)、防災とは切っても切り離せない
・「市民が動けば行政が動く」について、行政は市民の声を聞いて動くという茅ヶ崎の事例はあるか?
→市ではないが、県が動いてくれた事例。 ゴルフ場の木々の緑が虫のせいで減ってしまう問題について、災害の広がりを守るために緑は必要、松を守ってほしいということを市民がオーナーに伝えても聞いてくれなかった。そして、市民で木を切る行動をとると、県は慌てて木を撤去してくれたという事例から、言動ばかりではなく行動をとることが重要であることがわかった。
・津波の印象の方があった、火災は知らなかった
・ファイアーウォールがあれば延焼を妨げることができる
・火事に負けない家が欲しい。
・消防士から聞いた話で、海水を放水に利用してみては?
→山側の対策も必要だが海側の方が必要性が高い。他の地域でどれくらいやってるか確認してみる。
・クラスター火災が起きるような住宅の建て方ができないように条例を変えた方がいいのでは? 広い土地が分けられて、さらに密集してきている気がする
→手が付けられない状態の密集地がほとんど。現状を知ってから10年以上経っているのに行政の対応は変わっていない。
【Next Action】
最後に秀砂さんのNext Actionを発表してきただきました!
「シン市民として、一人一人が自分ごととして、みんなが意識、認識してくれれば、防災をはじめ、様々な課題が解決されるのではないかと思います。 必ず行動につなげます!この中から面白そうなのがたくさんあるので、行動に移せそうなものを行動してみたいです。」
詳細はグラフィックレコーディングのこちらもぜひご覧ください。
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【スタッフコメント】
今回、初めて私は、チガラボチャレンジに参加させていただいたのですが、年齢も立場も性別も 全く異なる方々が、熱心に一つのテーマについて話し合う姿に、力強いエネルギーを感じました。
防災について市民が、自分ごととして捉えることは、中々普段の生活で意識できていない点だなと気付かされました。そしてどうやったら市民の皆さんが問題意識を持ち、行動に移せるのか、話を聞いていて「シン市民ちがさき研究会」があれば、それを解決する糸口になりそうだと感じました。
最後に、私もキュウ市民からシン市民に変わりたいと思ったお時間でした!
発表者の四條邦夫さん、山田秀砂さん、ご参加くださったみなさま、ありがとうございました!
次回のチガラボチャレンジは9月14日(水)19時からスタートです。
☆2人目:松本素子さん「市長・市議選の立候補者のしたいことって何?市民が市政を科学しよう!」
★10月のチャレンジャーを絶賛募集中です!! ご自身のTAKURAMIを皆さんと一緒にブラッシュアップしたいという方、お待ちしております!
皆さまのご参加お待ちしております! 「https://chiga-lab.com/event/8797/」
★添付写真のグラレコについて★
グラレコ担当:海老原 千恵子さん(イラストレーターDotさん)
フリーのイラストレーターさんです。
※「グラレコ」とは?
→「グラフィックレコーディング」といって、主に会議や議論などの場・セミナーやパネルディスカッションなどの場で、話の流れをリアルタイムで文字や図(絵)におこし、視覚化して参加者と共有さ せるものです。
いつも素敵なグラレコを作成していただきありがとうございます♪