開催レポート:【チガラボWork&Life】女性の湘南ローカルな働きかたを生み出す仕組みづくり ~非営利型株式会社Polarisの取り組み~
(投稿日:2019.10.21)

こんにちは、社会人インターンの京香です。

結婚や出産・子育てなどライフステージの変化が大きい時、特に女性は仕事をどうするかという難題にぶち当たります。辞めるか続けるかといった二択ではなく、働き方を通じて自分の望む暮らしを選べる社会を作りたいと奮闘されている非営利型株式会社Polaris(ポラリス)さん。 今回は東京調布の「セタガヤ庶務部」から展開し、2019年4月より湘南エリアでロコワーキング「湘南庶務部」を立ち上げた代表・大槻昌美さんと湘南担当・野村香奈さんをゲストに迎えました。

 ロコワーキング「湘南庶務部」の代表・大槻昌美さん(右)と湘南担当・野村香奈さん(左)。

非営利型株式会社ポラリスの取り組み(非営利型株式会社Polaris) 

多岐にわたる事業内容はホームページをご覧ください。⇊

非営利型株式会社Polaris https://polaris-npc.com 

 

【ポラリスさんからの発表】

1.”働きにくさ”という社会課題に向き合っています。

一言で事業内容を説明すると「ソーシャルベンチャー」であり、”働きにくさ”という社会課題に向き合っています。得意技は、地域の仕事を切り出し、潜在能力を秘めた地域に住んでいる女性とマッチングさせること。暮らし方を巻き込んだ「働き方」を提案しています。子育てしながらも身近でゆるく働けないか、何か資格がないと仕事が出来ないんじゃないか、仕事を久しぶりに始めるのに勇気が出ないなどの働きにくさは人それぞれ。チームを組みプロジェクト型で進めることで、1人では出来ないことも補い合って乗り越えます。実際、社会に出るのに自信をつけて仕事に就いたとか、ひきこもりの方と仕事して存在を知りみんなで応援したとか、依頼先の本採用に至ったとか…。ずっとそこにいなければいけないという縛りもなく、パートナーの転勤先でも続けている方もいて…。自分で選択できるのがウリで、それを当たり前にしたいと試行錯誤しています。女性限定ではないのですが、経営メンバーは女性であるため自然と女性が中心になります。もちろん、多様な方と関わっていきたいです。

 

2.クレームがクレームではなくなる効果

地域の人が当事者視点で仕事をするとクレームがクレームではなくなる効果があります。例えば、賃貸マンションの清掃は、清掃のチェック項目にないと清掃されません。だけど、当事者視点で「あのライトのクモの巣はきれいにしたいね」と週1回1時間の清掃に気づいて行うことは難しいことではありません。移動時間も苦になりませんし、天気が悪ければ時間や曜日を変更することも近所で働けるメリットです。仕事に自分を合わせるのではなく、自分に仕事を合わせる働き方によって満足度が格段と上がるのです。地域に関わることで愛着もわき、地域自体も豊かに暮らしやすくなっていく循環を目指しています。

 

3.イメージ戦略!

言葉にはイメージがつきものです。なので使う言葉には気を使います。例えば「清掃」は使わず「手入れ」としたり、「ママ」は使わず「子育て中の女性」といった言葉を使います。「セタガヤ庶務部」のように新しい言葉やロゴを生み出すことで、言葉のもつ縛りから解き放ち、関わりやすくする工夫をしています。

 

4.当事者視点が強み

秋田県のブナの森マラソンに関わっていますが、当初は他の地域からの参加者がほとんどで、地域の人たちのイベントになっていないのが課題でした。業務の切り出しを行い、地域の女性たちのアイデアを反映したところ、旦那さんまで巻き込むイベントに!盛り上がるスタッフの「楽しい」は連鎖し、参加者の満足度もあげることが出来ました。女性たちが地域の情報を持っているからこそ、その土地ならではのイベントに仕上がったのです。これは、例えばシニア世代や障がい者の方にも同様で、当事者だからこそ持っている価値があり、強みなんです。

  ポラリスさんの考え方や取り組み、「湘南庶務部」立ち上げの経緯をお話いただきました。

【参加者と意見交流】

・どうやってお仕事をとってくるの?

→イベント時の出会いからスタートしたり、ご縁から声をかけてもらった。これからは営業が必要。

・課題は?

→対話を通じて、業務をカスタマイズするのが得意なのだが、「何でもします」は相手(企業等)にとって分かりづらい。入り口として分かりやすくメニュー化し、効果が図りづらいところを説得できるようにするのが課題。

・それぞれのスキルや実績にばらつきがあるメンバーで仕事としてまとまるのか。

→目指している方向性は説明会でお伝えし、納得したうえで登録してもらっている。多様性を認め合い、補い合うプロジェクト型で行う。全体的にアウトプットすることで満足度が高い。

・「派遣」と「委託」は何が違うの?

→ポラリスの考え方としては、派遣は決められた仕事に必要な条件を持った人を求められる。委託はゴールは決められているが、そこにたどり着くまでに何をするのかは任されている。そのままの自分を受け止めてもらい、得意を持ち寄ることで個の力が集結し相乗効果が期待できる。

  参加者の皆さんから疑問やアイデアがたくさん飛び交いました。

【後記・自分で選ぶ!】

個々の持つスキルを持ち寄るプロジェクト型の働き方は、多様な価値観の存在を知る機会でもあります。折り合いをつけるのも社会人として必要な経験。自分自身に価値があり、補い合うことでお互い様を循環させる…長い目で見て人の成長をサポートしている仕組みに感じました。自分がどのようにしたいのか選ぶ働き方は、誰かが与えてくれるのではなく、自分と向き合うことから始まります。興味のある方はポラリスさんのページをご覧くださいね。

・ポラリスHP
https://polaris-npc.com/

・ポラリスFacebookページ
https://www.facebook.com/polaris.npc/

大槻さん、野村さんそして参加者のみなさん、ご参加ありがとうございました。