開催レポート:【チガラボSocial】広石拓司さんと考える、SDGs時代の協働のカタチ
(投稿日:2019.4.30)

こんにちは、社会人インターンの京香です。

SDGs(エスディージーズ=持続可能な開発目標)とは、国連で採択された2030年までの国際目標のこと。掲げられた17の目標を、主体者の視点で一緒に考えていこうと開催されました。講師は、株式会社エンパブリックの広石拓司さん。具体的な事例を挙げながら、これから変わっていく価値観の変化について掘り下げていただきました。アイコンに書かれたコピーだけでは真意が伝わり切らないので、前文などを読んで解釈を深めてほしいとのこと。

 

SDGsとは?: 外務省

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html

 

【SDGs17の目標は「誰一人取り残さない」ための決意

参加者(男性9名、女性9名)は、地域に何らかの形で関わっている、盛り上げていきたいとSDGsへの期待をもって参加されている方が多く見受けられました。

 

SDGsは2016年から2030年の15年において、青虫から蝶に変化するよう全く違う世界がくることを前提として「決意」を大切にしているそうです。例えば儲けの裏に労働者の貧困があったり、環境汚染があったりすることがしょうがないことで済ませない世の中にしていく「決意」です。今までは目の前の現状を評価していましたが、これからは中長期的な視点で取り組んでいる姿勢が評価される時代がやってくるとのこと。マイナーな価値観が、ある日突然メインスタンダードになる変化がくるようです。

 

この17の目標を具体的に深めると「5.ジェンダー平等を実現しよう」では日本は女性の活躍を推進しているにもかかわらず世界では114位。「6.安全な水とトイレを世界中に」では日本は蛇口をひねれば飲める水がでて安全。しかし、災害時の水道・トイレ事情は最悪で、劣悪な環境での生活を強いられていました。「14.海の豊かさを守ろう」では庶民の味方サンマ・イワシの高騰から海洋資源についても他人事ではなく、「13.気候変動に具体的な対策を」にも関わってきそうです。経済がグローバル化されているように、環境や社会問題もグローバル化し持続可能性を問われてくる、その中で日本では「どうしますか」との問いかけがありました。

 

  SDGsについてお話する広石さんと熱心に耳を傾けるみなさま

 

【参加者の感想→広石さんからフィードバック】

・価値観の変化にセンスを磨いていかないといけないなと思った。例えば24時間営業のコンビニもそこまでしなくていいんじゃないかとか。

→ドイツは環境的にパラダイスと言われるけど、実際は不便な生活。それを良しとして生活しています。どちらがスタンダードになるかで、生活の価値は変わります。

 

・パンドラの箱を開けてしまったような混乱!かっこいいだろうと思っていたことが、やらなければならないことなのか…となってテンションが下がっている。

→正しいことがまかり通るわけではありません。その中でどうするか…考え始めるきっかけになればいいと思います。外食チェーンが正月を休業し、2億円の売上よりも従業員が休みをとることを選択した事例も出てきています。

 

・社会問題の解決のために、気持ちやお金を出していかなければならないのか…。私がそう思っていても、意識のない人との格差が生まれるのではないか。

→ラグジュアリーブランドの素材が憧れとなり、アパレルが取り入れファストファッションになる…特別が普通になっていくように、スタンダードになるには10年かかります。

 

・17の目標は相互作用がある、持続可能性のある社会に欠かせないと聞いてハードルの高さを感じた。生活の中に浸透していくのか。

→日本人は真面目で17の目標があれば、全部クリアしていこうとします。そうではなく、使いこなしていくイメージです。また、マイばしブームの時は割りばしは使わないのがエコだという常識がありましたが、今では森の保全活動のなかで出た間伐材を使用した割りばしを使うのが一番エコとなっています。物事の背景まで考えて、なんでこうなっているんだろうと敏感になることで、成熟していくことが出来ます。

 

・ホームページ作成を仕事をしているので、第3者に決意を示す「情報開示」を手伝っているんだと感じた。

→決意のもと、こういうことを考えていて、進捗状況はこうですと伝えることが大切です。書いていないと取り組む意思がないと思われてしまいます。HPの構成も変化してきました。例えば、大手美容関連企業のHPでは、使用する人物写真に「加工していません」と書かれています。人そのものが美しいから”盛り”ませんという「決意」を表しているのです。

 

【価値観の違う世界への準備期間】

スターバックスのストロー使用廃止のニュースは話題になりました。この背景には本拠地であるシアトルの条例が絡んでいるそうです。条例は10年前に成立したものですが、費用対効果などを考えて準備が整うまで一時停止していたとのこと。10年かかって出来たことで、急に出来たわけではない…中長期的な視点をもって、実行していく「決意」があったのです。SDGsは正しいかどうかのではなく「決意」であり、言い続けることが大切。価値観の違う世界は、一線を超えたらっガラッとやってきます。今はそのための準備期間とのことです。参加者の皆さんは、質疑応答で本音をぶつけやり取りした後、さらにSDGsに興味をもたれた様子で、時間を忘れるほど盛り上がりました。

 

  ディスカッションでは、参加者同士で話が飛び交いました

 

【振り返って】

クジラの死骸から大量のプラスチックが発見されたというニュースがあったのを覚えていますか。私はビーチクリーンで、プラスチックの小さい破片で鳥や魚が被害にあっているという事実を知っていましたが、ショックでした。ニュースによってレジ袋は不要という「決意」やビーチクリーンをしようという「決意」、ごみを出さないようにする「決意」いろんな「決意」が生まれたと思います。広石さんのお話を伺って1人1人の「決意」が開示されることでムーブメントとなり、意識高めの行動が当たり前になる…個人の「選択」も「新しい価値感」に変わってくる可能性を感じました。「決意」を伝えるツール・仲間と繋がるツールとしてSDGs17の目標は使えそうです!

 

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。次回の広石拓司さんの登場は、5/19(日)「TAKURAMIフェス湘南 2019Spring」です。
Facebookの参加申し込み、もしくは以下のURLよりお申し込みください。
https://chiga-lab.com/event/3866/

 

場所:コワーキングスペース チガラボ

   茅ヶ崎市新栄町13-48ワラシナビル5F ※茅ヶ崎駅北口3分

参加費:参加者500円 (ワンドリンクつき)
    出展者(TAKURAMIオーナー)1,000円 (ワンドリンクつき)

 

〈参考URL〉

株式会社エンパブリック
https://empublic.jp/

書籍:『ソーシャルプロジェクトを成功に導く12ステップ コレクティブな協働なら解決できる! SDGs時代の複雑な社会問題』
https://empublic.jp/sp12steps

 

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