開催レポート:【チガラボ×Local】福島・国見町の取り組みから、ローカルの学びの可能性について考える会
(投稿日:2019.2.8)
はじめまして。12月から学生インターンとしてお世話になっています、吉田渉(わたるん)です。初めてのイベント開催レポートを書かせていただきます!
2月1日(金)に『【チガラボ×Local】福島・国見町の取り組みから、ローカルの学びの可能性について考える会』が開催されました!
「チガラボ×Local」シリーズは、他地域の食や文化に触れることで、個人と個人、地域と地域がつながって、おたがいを応援しあえる関係をつくるイベントです。これまでに、宮城県石巻市・山形県朝日町・岡山県西粟倉村など、さまざまな地域とつながってきています。
今回は、1年ぶり2回目の開催となる、福島県国見町です。今、国見では「国見ホイスコーレ」という地域で人を育てていく取り組みが始まっています。そんな国見の町役場のキーパーソン、八島章さんをゲストにお招きし、ローカルでの学びのあり方について、茅ヶ崎と国見の地域の特性を比較しながら、みんなで考えました。
それでは当日の模様を、時系列に沿って簡単にご紹介します!
まずは代表の清水から、茅ヶ崎という地域がについてご紹介しました。もはや定番になりつつある茅ヶ崎のプロモーションビデオ『北側もオシャレ茅ヶ崎!』(https://www.youtube.com/watch?v=UkitSPThH10)もご覧いただき、大好評でした!
次に参加者の自己紹介です。
茅ヶ崎近辺にお住いの方はもちろんのこと、福島県国見町にお住いの方や福島大学の学生さん、「フォルケホイスコーレ」に関心のある方(教員をされていた方、スウェーデンに留学経験がある方)など、バックグラウンドは様々で、どんな化学反応が生まれるのかとワクワクでした!
その後、いよいよ八島章さんから国見のまちについて、そして国見ホイスコーレの取り組みについて、ご説明いただきました。
〈国見ってどんなとこ?〉
まずは国見町の概要について。福島県国見町は福島県北部、宮城県との県境にあります。面積は1,700の市区町村のうち1400番台。人口も9,000人くらいと小さな町です。
江戸時代は宿場町として栄え、その後は養蚕業が盛んでしたが、他の地域と同様に養蚕業も衰退し、果樹園栽培に転換していきました。
「車は一人一台。軽トラックの普及率がヤバい!」
「国見の人は1時間前集合が当たり前」
「農産物の出荷時期はみんなちょっとピリつく」
「みんな、超恥ずかしがり屋」
などなど、国見の面白い特徴がたくさん。
〈ローカルだからこそ提供できる学びとは?〉
そして、地域での学びに関する話題へ進みます。
現在、国見は小学校と中学校が1校ずつしかなく、高校生はみんな外の町に出てしまいます。そのため国見では、若者の学びの場が整備されていないことが大きな課題でした。さらに普段から若者と大人の接点も少なく、若者が何を求めているのか、その声を聞くすべすら分からない、という状況だったそうです。
2年前に開催した「ヤングカレッジ」というイベントの開催がきっかけで、少しずつ若者との接点が生まれ、彼らの口から聞こえてきたのは、「居場所」と「学び」が欲しい!、ということでした。
「ローカルならではの、出会いと実体験に基づいた学びを若者に提供していきたい」 そんな想いが芽生えた時、インスパイアを受けたのが「フォルケホイスコーレ」でした。
「フォルケホイスコーレ」とは、17歳以上であればだれでも入学できる、デンマークの国民学校のことです。
・試験なし、成績なし
・対話、会話、談話
・共に学び、共に暮らす
これら3つの大きな特徴を取り入れながら、国見流にアレンジした学びの場、それが「国見ホイスコーレ」です。
〈国見ホイスコーレの今〉
国見ホイスコーレは現在、「プロジェクト学習」、「国見カスタムラボ」、「短期プログラム」の3本柱で、対話重視の学びの場を展開しています。
「プロジェクト学習」は中学生を対象としており、またの名を「新免先生のめっちゃおもろい塾」といいます。講師の新免先生が、生活の中で当たり前のように目にする物を題材に、その中に詰まっている哲学や知恵に楽しく出会ってもらうためのグループワークを設計されています。
「国見カスタムラボ」は高校生〜若手社会人対象にしており、3月に大きなイベントがあります。
そして「短期プログラム」は高校生以上であれば誰でも参加でき、昨年10/6〜10/8に開催されました。実は僕もこちらに参加させていただき、ここでチガラボ代表の清水と会いました(笑)。”3つの未知(まだ見ぬ地域・人・自分)と出会う”がテーマで、古民家での共同生活、ゆったりと流れる時間、余白にあふれた丁寧な暮らしから、自分を見つめ直す機会をもらいました。
〈質疑応答〉
八島さんの発表の後、参加者の皆さんも交えてさらに議論を深めました。
「国見ホイスコーレの今後の課題は何か?」というご質問に、八島さんから「属人化してしまうということ」というお答えがありました。しかし、参加者の方から「一人一人の根底の価値観が表れた教育プログラムにも価値はあると思う」というご意見もあり、一概に属人化が悪いことだとは言えないようです。
その後の交流会では、国見町の山本琴音さんが準備してくださった国見の名産品をみんなでお腹いっぱいになるまでいただきました。
国見の名産のあんぽ柿、佐久間商店さんのさば味噌煮、樋口豆腐店さんのお豆腐・油揚げ、たつみや肉店さんの豚肉の味噌漬け「たっちゃん漬け」、そして日本酒「あつかしさん」やピーチワインなどなど、どれもこれも絶品でした!!
チガラボも人々の交流・学びから新しい実践が生まれる場をつくることを目指しており、国見ホイスコーレと同様の価値観を大切にしているように思います。茅ヶ崎という地域で、豊かな学びの機会を生み出すにはどうすれば良いか、国見の取り組みを聞いてとても勉強になりました!
国見町の皆さま、そしてイベントにお越し下さった皆さま、ありがとうございました!
以上、開催レポートでした!
▽参考URL▽
国見ホイスコーレ
https://kunimi-hojskole.jimdofree.com/
当日いただいた国見産のお惣菜、特産品についてはこちら!