開催レポート:【チガラボ×Local】神奈川・佐島のカツオを食べながら、漁師の娘さんと地域と海について話す会
(投稿日:2018.10.17)
10月10日(水)、「【チガラボ×Local】神奈川・佐島のカツオを食べながら、漁師の娘さんと地域と海について話す会」を開催しました。
地域と地域の新しい関係を紡ぐ「チガラボ×Local」シリーズ。これまでもさまざまな地域とつながり、ご縁を深めてきました。
今回つながる地域は、神奈川県横須賀市の佐島。
三浦半島の西側に位置する、豊かな自然に囲まれた漁師町です。
その佐島で生まれ育ち、現在は「佐島観光大使」として活動されている則竹栄子さんをゲストにお迎えして、佐島の魅力や漁師町の文化についてお話いただきました。
則竹さんは佐島の漁師の娘で、両親ともに佐島の生まれという、生っ粋の”佐島っ子”。
そんな則竹さんが佐島観光大使として活動するきっかけとなったのが東日本大震災。結婚して佐島を離れた直後に東日本大震災が発生し、津波で流される風景と佐島の景色が重なり、ひどく胸が痛んだそうです。慣れ親しんできたふるさとの景色がかけがいのないものだったと再認識し、佐島の美しい風景や自然の豊かさをひとりでも多くの人に伝えるために、自ら「佐島観光親善大使」と名乗って活動をはじめました。着用しているタスキは、なんと則竹さんの自作だそうです。
佐島は神奈川県有数のカツオ水揚げ漁港。
昔からカツオの餌となるイワシ漁が盛んだったため、イワシを求めて全国からカツオ漁師が集まりました。生きたままのイワシでないとカツオの餌にできないので、イワシを飼っておくためのいけすが港内にいくつも設置されています。
カツオ漁師はの朝は早く、まだ日も出ていない深夜に港を出ます。そこから何時間もかけて沖に出てカツオの漁場を目指します。7,8時間かけて佐島から60kmほど離れた伊豆大島沖まで行くこともあるそうです。網漁だとカツオ同士が激しくぶつかり合い、傷ついて鮮度が落ちてしまうため、カツオ漁は一本釣りで行われます。一本釣りはカツオのお腹の空き具合との駆け引きで、餌となるイワシを海にばら撒き、そこを狙って竿を投げ込みます。そして引っかかったら力強く竿を引き上げカツオを釣り上げます。
〈カツオ漁の様子〉
カツオをはじめ、さまざまな海産物がとれる漁師町・佐島。
ここには漁師町らしい文化も数多く残っています。佐島御船歌もその一つ。祭礼のときや正月の初参り、春と秋のお神楽など季節の節目や祝い事などで歌い継がれているそうです。
今回のカツオはイベント当日に佐島漁港を訪ね、則竹さんのお父さまから直接受け取ってきたもの。
料理を担当していただいたのは、お魚伝道師こと、『Kai’sKitchen』オーナーシェフの甲斐昂成さん。価値を見出されていない魚の魅力を広めていくために取り組む、こだわりの料理人です。
カツオのたたき、カツオのレアカツ、カツオの漬け、あら汁などなど、カツオを余すことなく料理していただきました。
鮮度抜群のカツオのバリエーション豊かな料理の数々に、参加されたみなさんも感激しきりでした。
カツオを通じてつながった地域のご縁。これをきっかけに、みなさんも佐島に足を運んでみてはいかがでしょうか?
※チガラボでは、スタッフ、学生・社会人インターンも随時募集しています。ご興味ある方はお気軽にお問合せください。