開催レポート:公開メンタリングデー 地域の企みごとを対話を通じて磨く
(投稿日:2024.3.14)

こんにちは!チガラボスタッフのリュウです。

 

2/1(木)【公開メンタリングデー 地域の企みごとを対話を通じて磨く】を開催しました。

 

このシリーズは、TAKURAMIメンバーからのTAKURAMI相談に対して、チガラボ代表の清水からさまざまな”問い”を投げかけることで、動機やめざす姿をより明確化し、実践のためのアドバイスもお伝えしていくスタイル。いつもの参加者同士の対話による解決というスタイルとは少し趣が異なりますが、より突っ込んだ視点を持ち帰ってもらうことがねらいです。

 

【今回の相談者】

 

1人目■田口真由美さん

行政の保健師として、日頃からたくさんの方の健康福祉の相談に乗られています。お仕事以外にもアウトドアなどのたくさんのご趣味をお持ちです。

 

 

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■田口真由美さん

 

【これからの課題】

・家庭の事情であったり、職場の事情であったりで今までは今のことに全力投球してきた

60歳で定年の予定だったけれど64歳まで延びてしまったりした事情で、間延びしてしまっている感じがしている

・何か違う活動をしてみたい気もするけれど、最後までやり切るというよりは、2番手くらいで、人とのいいつながりを維持しながら新しい働き口を探してみたい

・色々なところで習ってきたことを活かしていこうと考えていて、単発でイベントしてみたりしているけど、継続的になっていない

 

 【ターニングポイント】

・行政で働かれている中で、定年が60歳から64歳に延びた

・コロナのパンデミックの最中で、何かをしてみたいと感じた

【どう変化してゆきたいか】

・今漠然と抱えている何かしたいという気持ちをどうしたらいいのか

 

【清水からの問いやアドバイス】

清水:なぜこのように思ったのですが?

真由美さん:

ずっと茅ヶ崎で育ってきて、小学校も1期生だったりで、先生方に色々なことを体験させていただいた。高校も自由な風土で、行事が多かったりと、ワクワクする経験をたくさんさせていただいた。そういう経験をたくさんさせていただいたからこそ、好きなことを追求できていると思います。

看護学校でも、戴帽式のようなものも私の学年からなくなったり、看護のことだけじゃなくて、民俗学とか社会学とか勉強をしたり、運動会があったりと色々な体験をさせてもらえたかなと。

真由美さん:

実際、看護学校に通っているときも奨学金をいただいていたり、時代的にも自分の意思とは裏腹に就職先が決まるという時代で、途中途中何かしようとしながら35年目になってしまったなと・・・。

実際、仕事に夢中なときは、気にならないけれどこの年でフルタイムで働く中で周りと価値観が合わないなと思うときもある。でも、だんだん歳をとっていくと地元で暮らして、心許せる人たちも欲しいなと。自分の仕事的に、自分の人生のその先の時代を見ているので、茅ヶ崎が困らずに暮らせるような街になってくれるといいなって。そういう意味で、何かできないかなと思わなくもなくて。

清水:困らずにというのはどういう意味で?

真由美さん:

何かが起こって、自分一人では解決できないようなことが起こった時にどうしたらいいかみたいな・・・。

実際、私も母が認知症になって、一人暮らしが厳しくなった時に、その母をサポートしてくれる人がいなくて。家族のサポートがあってありがたかったんですが、昼間とか安心して任せられる人いないかなとか・・・。

(行政で働く中で、)仕事としてプロジェクトを立ち上げたりはあるけれど、こういう人と人との繋がりって強制されるものではないなって

清水:1番大事なのは人との繋がりとかですか?

真由美さん:最後はそこな気がしています。

清水:例えばご自身で考えると、どういう人なんですかね?

真由美さん:生活の部分で関わってもらえるといいかなと。隣近所で貰い物したからお裾分けとか。

清水:多分、ご近所みたいな距離感のものがいいのか、テーマ型の活動のコミュニティのようなものがいいのか、お話を聞いていると、ご近所タイプですかイメージしているのは?

真由美さん:ご近所すぎてもやなんですよね。監視されているみたいな感じで・・・。TAKURAMI型みたいなものも自分がいつかそこから冷めるかもしれないし・・・。

清水:現段階だと、真由美さんのニーズがどうしたら満たせるかですね。地域にこういう仕組みとか場を作りたい、誰かのためにというよりは、自分自身が地域で暮らしていく中で、距離感、関わりを得ていうかが最初の関心ごとという感じですかね?

真由美さん:そうですね。そこが安心しないとその先に行けない。

清水:公民館みたいなとこでの関わりっていうのはイメージにあっているんですか?

真由美さん:なくはないですね。でも、公民館で活動してみようってなって、みたんですけど、施設が取れない。ルールも複雑で。あとは、自分が仕事をしている時間しか空いていない・・・。

清水:難しいですね・・・。それ以外にイメージに近い場所とかってありますか?

真由美さん:とまり木とかCの辺りとかがイメージに近いかなと。茅ヶ崎に知り合いがいなくて、誰に声かけてもいいかわからない中で、そういう場所で、知り合いができるというのは一歩前進ですかね。

清水:先ほどお母様のお話がありましたが、今考えているイメージはお母様?それとも自分に対してですか?

真由美さん:自分ですね。自分の将来に備えたいし、自分の活動範囲も広くないし、今後狭まっていく。近くをうろうろしている中で、ふらっと行ける場所が欲しいなと。

清水:それに近いイメージの場所は今の所ない?

真由美さん:そうですね。

清水:何の機能があればいいですかね?

真由美さん:仕事で行った場所で、行政の作っている場所があって、基本出入り自由で、無料の場所でそこでは折り紙教室とかのイベントをやっている。そこには誰かしらいて、話し相手になってくれたり、お茶を出してくれたりしてくれた。そこのボランティアのスタッフさんと実際に会って話すことで、人とのつながりを確保した感じがして、安心した。

清水:真由美さんはどちらかというと、参加者側にいたいのか運営したい側なのか。

真由美さん:

どっちもやりたいですね。

昔母と認知症カフェに行った時に、既にコミュニティが完成されてしまっていて、話に入っていくことも難しかった。好きなように話したい人は話して、そうじゃない人は好きなようにしていていい場所が欲しいかなと。

清水:

真由美さんが思う理想の条件を言葉にして行ったりとかで、100パーセント満たせるわけではないけれど、少しずつ足すと条件が満たされていくなというのを具体化して開拓していくといいかなと。

求めることと求めないことを同時に明確にしていくといいと思います。そこを意識しないと最終的に欲しくない部分まで混ざってきてしまったりする。生活に関わるということは、やはりセンシティブな情報が伝わってしまったりしたことがある。

このようなことを一個一個精査していって、組み合わせて満たしていくといいかなと思います。

真由美さん:自分の場所が欲しいと思いつつ、そこが固定しちゃったりすると不本意なことも起きたりとかしますよね。

清水:チガラボも当然いろんな人がくる場所で、でも来る人の属性は制限していないんですよね。僕らは、ここはこういうことが起こる場所ですということは言い続けて、そういう場所だったら来ようという人が集まってくる。

そして、ご飯食べる場とか、コーヒー飲める場とかそういうところを準備しておくだけで、ハードルを下げることにつながっている。

もしかしたら、真由美さんも場所を持つ人じゃなくて、地域のそういう場所を探すのが上手な人になるかもしれない。いまやっているお仕事を活かしてどこかにつないでいく役割ができるかもしれない。

自分の強みとか適正とかって案外自分では特別に思えていないこともあるので、人に見つけてもらわなくてはいけないことがある。だから場は多様な人が必要で、場所が固定化してスタンダード化していくと自分も周りも慣れてしまって見えなくなってしまう。

真由美さん:最近自分は何かキャッチフレーズをつけようとしている。ナビゲーターというか案内人というか・・・

困っている人がいたら声をかけたりとか、仕事なのか自発的なものなのか意識はしていないこういうことが、自分にとってはとても心地よい。だからこそ、(今の仕事)を続けられた。

清水:僕絶対35年勤続とかもう・・・

真由美さん:

自分すごい気が多いなと思っているんですが、何で仕事を続けられるのかなと思っていたらこういうことだったんだなと。

昔、幼稚園の先生にあなたはお節介だからダメと否定的に怒られたことがあったんですが、お節介していいんじゃないかなと最近思い始めたんですよね。

真由美さん:もう一つ、私ロゲイニングという遊びが大好きで。

※ロゲイニング:地図やコンパスを使って、定められたエリア内に多数設置されたチェックポイントを周り点数を比べ合うゲーム

私、茅ヶ崎のいいところを調べてきて、茅ヶ崎でロゲイニングをするゲームを作ってきた。実際、チェックポイントにしていいですかと言いにいくのも楽しくて、お店の人にゲームの説明をして、宣伝してもらえるんですかーみたいな話にもなったりして、お互いにそれで儲けるわけではないけれどいい意味での等価交換できたかなと。

清水:どういう人を参加者に募ったんですか?

真由美さん:どんな人でも参加できるようにしました。実際に犬の散歩をしながら参加してくれた人もいたり、家族連れで作った地図を見ながらご飯をたべたりして参加してくれた方もいたりした。

清水:さっきのナビゲーターじゃないですけど、居場所をチェックポイントにするみたいな形もある。その場所に対するじぶんなりの目利きをして、自分セレクトでオススメしたりとかもできますよね。

真由美さん:話聞いてて思ったのは、私が居たい場所を探せばいいんですね。

清水:

そういうことです。

最初から何かのプロジェクトとか、何かを作り出すという出口を決めなくても、今自然にできていることをうまく組み合わせてやっていけばいい方向に自然と向かっていくんだと思います。

【ネクストアクション】

自分でやりたいこと好きなことがわかっていても、人からの評判とか、失敗とかが怖いと思って一歩踏み出せなかったんですけど、やっぱり好きは止められないなと。

一人でやるよりも、絶対誰かとやった方が楽しいなと思うけど、どうやって手を繋いだらいいかわからないかった。お節介をすると嫌われると思っていたので・・・。でも、これからは自分がちょっと楽しいからやっちゃいましたくらいの感じで始めればいいのかなと。こういうことを発信していけば、共感する人が集まるのかなと。

なんだか、人を喜ばせたいと思いつつ、実は自分が一番喜びたいっていうのがよくわかったので。

だから、自分が楽しいことをお裾分けするお節介なおばちゃんになろうと思います。

 

【スタッフコメント】

今回の公開メンタリングはお一人でしたが、2時間弱お話をする長い会になりました。

最初のうちは少し迷いがあった真由美さんもお話をしていく中で、自分がされたいことの本質や、気づきをえられたのではないかなと思い、スタッフとして横で聞いていた僕もなんだか嬉しくなっていました。最後には、ご自分に素敵なキャッチフレーズを見つけていらっしゃいました。

 

次回のチガラボイベントはチガラボチャレンジFinalになります。

日付は4月14日(水)13:00からスタート。

https://chiga-lab.com/event/11483/

チガラボ自体の通常営業は終了しておりますが、1ヶ月の特別営業でいくつかイベントを開催します!

みなさんのご参加を心よりお待ちしております!