開催レポート:【チガラボLocal】地域のコワーキングスペース&コミュニティのつくりかたを考える会
(投稿日:2024.2.15)

こんにちは!チガラボスタッフのまっき〜です。

2/12 (月祝)に「【チガラボLocal】地域のコワーキングスペース&コミュニティのつくりかたを考える会」が開催されました。

地域で自分らしい暮らしや仕事を実現していこうという動きは、コロナ禍を経て分散型のワーク&ライフスタイルが広がったことで、ますます加速しているようです。ただ、いざ実践しようとすると、具体的に地域のことを知り、人とつながりながら試行錯誤していく場が必要となりますが、どこから出会っていけばよいのでしょうか?今回はそうした地域とのつながりや活動の場としての機能を持った、コワーキングスペース&コミュニティについて、お二人のゲストとともに、話題を展開していきました。

ゲストのお一人目は、2020年から名古屋で「TheTowerLounge CASHIME(タワーラウンジ カシメ)」というコワーキングスペースを運営されている星野充人(ほしのみつひと)さん。テレビ塔のなかという立地で、「つながり、いごごち、第3の場所」とったキーワードを掲げておられます。

SNSでチガラボがクローズするというニュースを目にしたのがきっかけで、「まちづくりとコワーキングスペース」という同じテーマにトライしているチガラボにつながってくださいました。

お二人目はこれからコワーキングスペースをつくりたいという、島央育(しまえいすけ)さん。神奈川県が主催する「すきまち三浦」というプログラムを通じて、プランを構想中です。

すでにコワーキングスペースを運営されている星野さんとこれからコワーキングスペースをつくりたいという島さんをゲストをお迎えして、チガラボを7年間運営してきた代表の清水のファシリテートにより、地域のつながりやTAKURAMI創出、コワーキングスペースの役割、などをご参加のみなさんと一緒に考える機会となりました。

① 星野充人さん

名古屋生まれの名古屋育ち、繁華街である栄エリアを中心とした不動産の企画・仲介・管理をメインにお仕事をされながら、2020年9月に名古屋テレビ塔3階にコワーキングスペース「CASHIME」をオープンされました。

「CASHIME」という名前やロゴにはいろいろな意味や想いが込められているそうです。「かしめ」というのは元々テレビ塔をつくった職人の「かしめ屋」さんから来ているのだそう。この造船技術の一つである「かしめ」の工法を使うと従来の方法では難しかった建設が可能となり、テレビ塔を建てる際に使われたとのことです。この「かしめ」とはこの工法を語源として、ものとものをしっかりとつなぎとめる”かしめる”という意味も持っています。そこで、”不可能を可能にする”技術の「かしめ」と”人と人、人とまち、人と思いを、かしめる”「かしめ」、そして日本語なのだけれど日本語っぽくない音の響きから「CASHIME」という名前がつけられたそうです。

都市公園としての制約がありながらも、テレビ塔を第3の居場所としてシェアして新しいつながりの社交場とする「CASHIME」に込められた意図をロゴマークを分解しながら丁寧に説明してくださいましたが、こんな場所であってほしいという願いと想いが伝わってきます。

CASHIMEは、タワーラウンジという名前がついていますが、コワーキングスペース、セミナールーム、貸しスペース、ラウンジなどさまざまな用途で使うことができます。キッチンやカウンターもあるので、スナックイベントや飲食を伴う交流会や音楽など様々なイベントが行われたり、企業や地域と連携したイベントも多数開催されています。

名古屋の人ならば知らない人はいないテレビ塔ですが、土日でテレビ塔の展望台に登る人数(入場料大人1,300円)は1000人/日、20万人/年なのだそうです。ちなみに1位は熱田神宮!

このスペースを多くの人々に知って継続的に使ってもらうには、課題もあるそうです。

名古屋あるある的な特有の程よい距離感の居心地を大切にしながら、テレビ塔(建物)と栄という街(地域)のストーリーを尊重して育み、CASHIMEならではの社交場化をどうしていくのか、試行錯誤・模索をされている星野さんから、参加者のみなさんに問いが投げかけられ、ディスカッションタイムとなりました。

<星野さんからフロアへの問い>

  1. 快適なスペースを維持していく上で、提供してもよい範囲は?
  2. 継続的に関わってもらうために、必要な要素とは?

<Q&Aやディスカッションの例>

・みそカツ片手にワークしたい!カレー食べたい!

・飲食のにおいってどこまで許されるの?→ 例えば「今日はソース焼きそば食べれます」の日があれば気にならないのでは?

・景色を見ながらお風呂に入りたい!

・ラジオがあったら面白そう!

・何かを発表する場の適正人数は?→ 10人前後〜20人くらい?

・人のチャレンジをあおる人、焚きつける人がコミュニティにいると、チャレンジがしやすくなる。

・チガラボチャレンジには色々なパターンがある。発表してみることで、自分の背中を押せる人、ブラッシュアップすることができる人、最初の一歩になった人、等々。

・ チガラボはイベントスペースとワークスペースを区切らないのを大前提としている。分断しない。聞こえてきちゃったところから新たなつながりを生むことも!

・チガラボチャレンジは発表する人も発表を聞く人もお金を払って参加する場。プレゼンの見せ方やプランよりも、共感できるポイントは何かが大事。発表する人は聞いてもらえて応援してもらえて嬉しい。聞く人は、自分ならどんなやりたいことがあるのか考えたり、発表者に対して自分はどんなふうに関われるのか、面白いことを一緒につくっていけるかを考えたり、交換の起きる場が生まれる。

・場が場を生んでいく。

・ビジネスプレゼンでは、まずプランを作って計画やリソースを固めて必要なものを調達して、それを必要な人が集まり関わりやコミュニティができていく順番だが、チガラボの場合はまず気軽に人が集まって、やりたいことのアイデアを言い合い、やってみようと育てられる場があることで、新しいプロジェクトや事業が生まれていくプロセス、人とのつながりから新しいコトが生まれる。

 

② 島央育さん

三浦市で生まれ育った島さんは、大学卒業後に横浜、東京、カナダに住み、バンクーバー留学時にヨガインストラクターの資格を取り、ヨガと食(ビーガンの和食)をつなげるイベントを開催されていたそうです。コロナ禍を機に行政書士の資格を取り、2023年に地元三浦市にUターンして、行政書士事務所を開業し、ヨガインストラクターとしても活動をされています。

地元三浦市、特に初声町のエリアを活性化させたいという熱い想いをお持ちです。実は3週間くらい前までは、コワーキングスペースのことは頭に全くなかったそう!

自分のやりたいことを考えていたら、「チガラボだ!」ということに気づいてしまったのだそうです。今回は構想中の「Coラーニングスペース@三崎口〜現代のライフシェアリングを実現する〜」のプランを発表してくださいました。

島さんが大人になって地元三浦に住んでみると、とても快適なことに感動したそうです。新鮮な野菜や海鮮がとても安く、気候もよく、東京湾と相模湾の両方に面していて日の出も日の入りも見えて自然が豊か!!・・・なのに、人口も事業所数・事業所従事者等も減り続け、今では神奈川県の市で唯一の消滅可能性都市になってしまったのだとか。そんな三浦市をなんとか盛り上げたいと考えていたところ、それがコワーキングスペースなのだとわかり、今のアイデアが生まれました。

目的は、

・三浦市在住の若手潜在的起業家の起業に対する精神的、物質的ハードるを下げることで三浦の事業所数を増やすこと

・仕事空間だけでなく「子育て」「(生涯)学習」「趣味」をシェアする場所(ライフシェアリング)にすること

・三浦市在住以外で起業に興味がある人に三浦で起業すれば仲間がいると思ってもらうこと

・若者の起業精神を育成、先輩起業家とコミュニケーションを取る場所を提供し、三浦を起業促進都市化すること

そのために、交流特化型コワーキングスペース「Coラーニングスペース」をつくり、利用者が起業家として共に学び共に成長、ライフシェアリングするための出逢いの場所にしたいとのことです。発展形としては「寺子屋」としてフリースペースを無料解放したり、世代を超えて学ぶことで帰ってきたくなる地元づくりをすること、学校では学べないお金や仕事について学べる場にしたいというアイデアや、10年後の三浦市を見据えた想いも語ってくださいました。

<島さんからフロアへの問い>

  1. 純粋な感想を聞きたい
  2. チガラボを知ったきっかけ、なぜ通っているの?
  3. 三浦市のイメージは?初声町って知ってましたか?

<フロアからの感想やディスカッションの例>

・三浦市は近いようで遠い場所のイメージ。過ごしやすそう。

・釣りの聖地。

・ライフシェアリングって人とのつながりが強いイメージの三浦では良さそう。元々あるコミュニティをつなげるハブになると良さそう。映えではなく、がっつりローカルでいったらいいのでは?

・地の利がいいメリットがある。東京に近くて自然が豊か。移住したい人やワーケーションの施設を視野に入れると一石二鳥。

・茅ヶ崎と比べて建物がさらに古く歴史を感じるので、歴史的背景が入ると面白そう。

・大根を使った料理が食べたい!地元の人がつくってくれる料理が食べられる、お惣菜を買って帰られるといい。色々な世代の人が役割を見出せる場。

・場をつくる時に、最大公約数を求めない。

・人がいいイメージ。外から持ってくるよりも、その土地のよさ、その土地の人から色が出てくる。参加した人のキャラクターにつくってもらう。メンバーをコンテンツにする。

・チガラボを知ったきっかけは検索。その時はスペース優先でコミュニティのことは期待していなかった。試しに参加したイベントで面白い人たちに出会った。面白いメンバーが集まれば面白いことが起きる。メンバー同士のコラボも起きる。掛け合いがコミュニティーをいいようにしてくれる。

・チガラボでは色々な人が集まる。発言を否定されない安全性を感じる。TAKURAMIを安心して話せる場が継続性につながる。

・チガラボへは休職していたときに人と会う機会のために勇気を持ってイベントに来た。安心感が心地よい。色々な職業。興味関心。新しい出会いや気づきがあり楽しい。

・人の話がないのが気になった。外に出て戻ったからこそわかる地域の良さ、人々の魅力をどう語れるのか?島さんの立ち位置は貴重。島さんフィルターで見えたものは?そこに何を見出すかを雄弁に語れることが大事。そこを聞きたい!

・合併前にどんな営みがあったのか?端のエリアは悪く言えば置き去りになりがちだが、良く言えば地域らしさが残りやすいとも言える。そこをどういう魅力として伝えられるか。中に入って時間が経つとまた見えなくなってしまうので、外の視線を取り入れながら進めていくといい。

・エリアブランディングの視点で三浦を見ていくとどうなるか(解像度、範囲、時間軸)

 

交流会でも、地域のコワーキングスペース&コミュニティのつくりかたについて、みなさん活発な意見交換で盛り上がっていました。

実は、チガラボクローズのニュースが公開されてから、チガラボのことを知りたい、話を聞きたいという連絡が何件かあったそうです。

個別に対応することもできたのですが、それを個ではなく、”場にもどす・つなぐ”のがチガラボらしい(?!)ところ!!

「場をつくるので、来てください!」とお声がけしたところ、このイベントが生まれました。

何かが起きたら場にひらき、場で解決する流れができはじめる、するとみんなが場を使いはじめる。

今回のテーマである「コワーキングスペース&コミュニティのつくりかた」における大事な要素の一つのように感じます。

そして、お話するならば場に開こうよという呼びかけに、フットワーク軽くのってくださった星野さんと島さんのおかげで、お二人の活動やTAKURAMIについてもお話を伺うことができましたし、そこから参加者のみなさんと地域のコワーキングスペース&コミュニティのつくりかたについて語り合う豊かな時間になりました。

ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました!!