【開催レポート】第9回TAKURAMIフェス湘南 2023 Spring 午前の部
(投稿日:2023.5.21)
5/14(日)に「第9回TAKURAMIフェス湘南2023 Spring」が開催されました。
このイベントは、地域のTAKURAMI(=マイプロジェクト)が集まり、おたがいの交流と新たな出会いの場として半年ごとに開催しています。今回は広石拓司さんが代表をされている株式会社エンパブリックとのコラボイベントとして開催し、名古屋や金沢、三鷹などからも地域づくりを実践されている皆さまにご出展・ご参加いただきました。
午前の部では、株式会社エンパブリック代表の広石さんと、チガラボ代表 清水が「TAKURAMIが生まれる地域」というテーマでトークセッションを行いました。広石さんは、長年にわたり全国の社会起業家支援や企業向けのソーシャルビジネス開発、自治体からのまちづくりやコミュニティ開発などの企画・アドバイスなどされている方です。
【トークセッション】
■「ここに来れば“想い”が実現できる」という場があることが大切。
その場にいるだけで周囲から刺激を受けることができ、段々と自身にも“想い”が湧いてきて、それを話すと周囲が許容してくれて、前に進めたいと思うようになってくる…という場作りが大事ですし、こういう場では、「カリスマ性のある誰か」が周囲に影響を与えるのではなく、こういった場に任せることで、当人が主体性の必要性に気付くこともできます。
その上で、その場が失敗が許容されることも大切です。
イベントを行うにしても、何も分からないところから始めるわけですし、人が集まらなければ失敗と捉えてしまうと次に進むことが難しくなってしまいます。「こういうイベントでは人は来ないんだ」ということもやってみなければ分かりません。なので、失敗しながらでも学び、進んでいける場というのは非常に貴重なのです。
■地域ごとの特性を理解し活動すること
例えば、近隣で同じ湘南と言っても、茅ヶ崎・藤沢・鎌倉・逗子・葉山では成り立ちも違えば空気感も違ってきます。なので、この空気感や雰囲気によっても「(その地域に)合うやり方」をしないと、広がりにはなりにくいのです。
その中で茅ヶ崎という地域は、鎌倉や鵠沼のように早い時期に別荘地として発展した有名観光地とは異なり、より滞在型で暮らし中心のエリアとしてまちが形成されてきた歴史があります。このスローな雰囲気が色々な取り組みに対するハードルを下げているという面があるように感じます。
いくら“想い(したい)”が強く大きくあったとしても、当人がその時点で“できること”がその想いと一致しているかどうかは分からない。だからそこの違いにちゃんと気付いて「やれることからしっかりやっていく、やがてそれが大きな力になっていく可能性がある。」という段階をちゃんと持てることって大切です。
そういう意味で、(前述の)「地域の雰囲気の違いを理解して取り組む」というのと同じように「(小さなことから)地域の一員として取り組む」ということも大事だと思います。もちろん大きくて長い目で見るビジョンも大切だけれども、もしそれがまだ見えていなかったとしても「これがやりたいんだ!」を「地域の中の人」として行動していくことで賛同を得られ、大きく広がっていく…という可能性も生まれてきます。
こうして生まれる多様なTAKURMAIが、地域にたくさんある状態が良いと思っています。例えば、地域の中で一見すると似たような取り組みがあった場合、それを無理に統合するのではなく、それぞれの人ややり方の違いを許容していくこと。その結果として、さまざまな人が出番や役割を担うことができる場も増えていくのではないでしょうか。
【ディスカッション】
トークセッション後にそれぞれに感想や経験談などを共有しあいました。
【振り返って】
チガラボスタッフの山田です。
私自身、まだチガラボスタッフとして関わるようになってから間もないので「地域の中で地域のために活動をする」ということがどういうことなのか、右も左も分かっていないような状態で参加しており、お話を聞いている最中も1つ1の話は面白く、理解ができているような気になっていたのですが、この内容をまとめていて「実体としての活動」の大切さを改めて感じました。特に印象的だったのは「したいこととできることの違いを理解する」と「暮らしている一員として関わること」と「小さな世界がたくさんあるのが良い」ということの繋がり方でした。「まずは想いの大きさと現実を理解し、想いの中から少しずつでも形にして見て、失敗しながら、地域性を理解しながら、暮らしている一員として活動していく。そんな活動がたくさん生まれる地域がやがて地域全体としてより良くなっていく。」そんなサイクルが生まれる地域を作れることが、「地域の中で地域のために活動すること」の土台になるんだろうと思うようになりました。
株式会社エンパブリックの皆さま、参加者の皆さま、素敵な時間をありがとうございました!