【プレイベント】熊本×茅ヶ崎コラボトーク 開催レポート
(投稿日:2016.12.4)
【開催報告】12/1熊本×茅ヶ崎コラボトークイベント
震災から約7ヶ月が経ち、報道も減っていくなか、あらためて熊本の今を知り、防災について考えるトークイベントを開催しました。20名の方にご参加いただきました。
田中森士さん(株式会社クマベイス)は、現地で被災された生々しい経験とともに、すぐさま支援側の動きをとったことなどを語ってくれました。災害時に現れる人の本性や、被災者と支援者の立場の微妙なバランスや家族との関係などに悩みつつも、最終的に情報の伝達という本業と密接な形で熊本の復興に貢献しようと定めています。自分が同じような状況に直面したら、何に重きを置いて動くことになるのか、考えさせられました。
塚田 耀太さん(慶應義塾大学、Youth Action for Kumamoto)は、Googleマップを活用した、被災地のリソースマップの話が中心。現地の人力での情報収集と、10分間隔という高頻度の情報反映によって、300万件ものアクセスがあったことは圧巻でした。一方で、Web・ITが使えない状況や人に対していかに情報を届けるのか、という問題意識も語ってくれました。日々進化するテクノロジーを活かす新たな試みと、一方で技術革新により生まれる格差に対する感度を、いかに両立していくかは、大きなテーマだと感じました。
恒松球道さん(一般社団法人がんばるけん熊本機構)は、川崎在住ながら出身地熊本の震災に直面し、すぐさま車で物資を集めて被災地へ向かいました。それまで使っていなかったFacebookも使いながら人が次々につながり、物が集まっていったことは、一人の行動が多くのことを動かす原動力になることを教えてくれました。交流会でふるまっていただいた、ヒノデ米や有機野菜のお料理は調味料までオール熊本のこだわりよう。すべて震災後の活動を通じたつながりによるものだそうです。
荒井 隆之さん・渡邊 由美さん(Eat KUMAMOTO)は、食の支援を続けています。貯蔵庫が破損したことで消費期限が迫るさつまいもを、大手流通企業に働きかけて4トン、Facebook経由でのよびかけで1トンという量の販売による支援を実現しています。全体設計・マネジメントの視点を持った渡邊さんと、不思議な縁をつなぐ荒井さん、デザイナーと、絶妙な役割分担のチームが自然に生まれるのは、こうした有事の時ならではなのかもしれません。
平山 陽二郎さん(茅ヶ崎市 防災対策課)の話は、消防職員でもあり茅ヶ崎の火災がテーマ。杓子定規に行政のルールを説明するのではなく、極めて現実的な知識と行動をわかりやすく伝えていただきました。平山さんの話に多くの人が納得していた最大の理由は、資料や話のわかりやすさではなく、「災害から茅ヶ崎市民の命を守る」という覚悟と姿勢にあると感じました。普段は自治会などシニアが多いので、若い世代に聞いてもらえたことがうれしいという平山さんのコメントも印象的でした。
今回は、ゲストスピーカーが6人という贅沢な企画となりましたが、それぞれの立場から異なるアプローチをされていること、しかし、有事に自分がいまできることを考え行動した、という点は、みなさん共通していました。また、行動することで、協力者や仲間がどんどん広がり、できることも大きくなっていった点も見逃せません。
今後も防災テーマについても定期的に取り上げていきますのでご期待ください!